米大統領選

クリントン氏体調不良、そろって高齢のトランプ氏も大丈夫? 「核のボタン」持つ超大国の指導者に致命傷

 【ワシントン=加納宏幸】米大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)がニューヨークで体調不良を訴えたことで、大統領に就任した場合に4年の任期を全うできるか不安を残した。超大国を率いる米大統領にとり、健康が政治的な致命傷になりかねない問題であることを改めて示した。

 ホワイトハウスは大統領の健康状態を公開し、その重責を担える状態にあることを証明し続けている。身長、体重、心拍数、血圧などオバマ大統領が受けた健康診断の結果はもとより、常用している医薬品も詳細に公表される。大統領の車列には、不測の事態に備えて必ず救急車が付く。

 米政府がここまで大統領の体調管理に神経をとがらせるのは、世界最強の軍を率い、「核のボタン」を持つ大統領の決断には一刻の遅れも許されないからだ。

 1981年にレーガン大統領が銃撃を受けて入院すると、即座にジョージ・H・W・ブッシュ副大統領がホワイトハウスに呼び戻され、大統領の職を担った。長男のジョージ・W・ブッシュ前大統領も在任中、麻酔を使う内視鏡検査の際にはチェイニー前副大統領に権限を委譲した。

 ケネディ元大統領の暗殺を踏まえて加えられた合衆国憲法修正第25条は、大統領が外科手術の麻酔や心神喪失で職務を遂行できなくなった場合に、副大統領が臨時大統領に就くことを規定している。最高指導者が「不在」となり、敵国に付け入る隙を与えないようにする狙いがある。

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