今回のリオデジャネイロ五輪で日本選手たちは過去最多のメダルを獲得し、心を打つ場面をいくつも見せてくれた。
その中で、もっとも感動したものを一つ挙げるとすれば、銀メダルに輝いた陸上男子400メートルリレーだと思う。そこには肉体的に不利な立場を、努力と工夫によって克服する日本人の魂が見事なまでに凝縮されていたからだ(ケンブリッジ飛鳥選手は、父はジャマイカ出身だが、自身は日本人であると明言している)。
≪免疫力と関係するスポーツ能力≫
陸上のトラック競技に限るなら、日本人をはじめとするモンゴロイド(アジア系)は明らかにニグロイド(アフリカ系)よりも身体能力が低い傾向にあるといえる。といってもそれは優劣の問題ではなく、それぞれの集団が過去にどんな淘汰(とうた)を受けたかの歴史に違いがあるからだ。
アフリカは気温が高く、人々はバクテリア、ウイルス、寄生虫などのパラサイト(寄生者)の脅威にさらされ続け、現在もそうである。よってアフリカ人、またはアフリカにルーツを持つ人々にとっては、どれほどパラサイトに強いか、つまり免疫力が高いかが常に最大の問題となってきた。そこで主に女が、高い免疫力を持っている男を繁殖の相手として選び続ける必要があったのだ。