話の肖像画

タレント・小堺一機(4)がんを乗り越え現場復帰

レギュラー番組を持っていたときも、舞台活動には精力的に取り組んでいた=昭和63年 (浅井企画提供)
レギュラー番組を持っていたときも、舞台活動には精力的に取り組んでいた=昭和63年 (浅井企画提供)

 〈お昼の顔として活躍していた平成16年にがんを発症。テレビ番組の出演を休むなどした〉

 ある日、ひげをそるとき、首のあたりに、ぽこっとしたしこりに気付いたんです。病院でがんと診断されました。痛くはなかったけど、どこから転移したか分からない原発不明のものでした。「手術しないとだめだ」と言われて、やっぱりショックだったけど、ちょうど舞台公演の「小堺クンのおすましでSHOW」が20回目のタイミングだったのに休まざるを得なかったことのほうがショックでしたね。

 入院したら「もうしようがないや」と思って素直に耐えるしかないと考えました。逆に週刊誌には「静まりかえる小堺邸」と書かれてましたけどね。でも、そんなに騒いでいたら怒られるでしょう(笑)。ねえ、住宅街なのに。

 「極秘入院していたことが分かった」という記事もありましたけど、そんなに極秘じゃないですよ。ちょっと黙っていただけですよ。テレビを見ても、ニュースでキャスターの人がすごく深刻そうな顔で「あの小堺さんが入院していたことが分かりました」って言っていましたね。どの番組を見ても僕の昔の映像が出るんですが、全部スローモーションなんです。面白いなと思ってね。復帰してからテレビ局の人に「あれはなんでスローモーションなの」って聞いたら、尺が足りないからと教えてもらい、「ああそうなの。聞いてみるものだな」と思いました。

 〈病と闘っている間、家族や親友の関根勤さんら周囲の支えもあった〉

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