【産経抄】実りの秋の気配がみえない 9月7日(1/2ページ) - 産経ニュース

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産経抄

実りの秋の気配がみえない 9月7日

 NHK連続テレビ小説「マッサン」は、日本男児と英国人女性が紡いだ夫婦愛の物語だった。明治時代中期、造船業を学ぶために、同じ英国のスコットランドに留学した川田龍吉(かわだ・りょうきち)も、現地の女性と恋に落ちる。もっともこちらは実らなかった。

 ▼川田は実業家を引退後、北海道に渡り農場を開く。若き日に恋人と食べたジャガイモ料理が懐かしくなり、英国から原種を取り寄せ、栽培を始めた。味がよく、収穫量も多いため、すぐに広まった。これが川田の爵位にちなんで名付けられた男爵イモである。

 ▼現在の北海道は、ジャガイモの全国生産量の8割を占める日本一の産地となった。男爵イモを含めて、約50種類が作付けされている。その北海道を台風が何度も襲い、大きな被害が出ている。収穫間近だったジャガイモ畑は、河川の氾濫によって水浸しになった。

 ▼ポテトチップスの原料不足が見込まれる事態にまでなっている。メーカー各社は、新商品の発売延期を余儀なくされた。JR北海道の線路が各地で寸断され、流通網が機能しなくなった影響も大きい。やはりシェア5割を誇るタマネギや他の農産物も品薄となり、市場では高値が続いている。