「子供の貧困」はその対策が閣議決定されるほど明確に存在している。首都圏では家庭で食事にありつけない子供たちの食堂が急増中だという。こうした問題を抱えたまま、胸を張って「東京五輪の成功を」と気勢を上げられるのだろうか。
政府が立ち上げた「子供の未来応援基金」への寄付は、期待したほど集まらなかった。そもそも、子供の貧困は民間の寄付で解決すべき問題なのか、という疑問の声も上がった。
国家として子供にどれだけ金をかけるか。国柄の問題であると同時に、少子化に直面する日本にとっては重大事である。
将来への不安や生活の余裕のなさを若者が先取りしていることが、子供の減る原因になっていると言われて久しい。
「余裕」を失わせている大きなものに教育費がある。
橋下徹前大阪市長は、子供が生まれてから大学を卒業するまでの費用は完全無償にすべきだとかねがね主張している。
少し前、人気タレントのマツコ・デラックスさんが「国が責任をもって育てる」制度として教育費、医療費を負担するよう語ったことも話題になった。