【産経抄】野生のゴリラを救え 9月6日(1/2ページ) - 産経ニュース

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産経抄

野生のゴリラを救え 9月6日

 ゴリラといえばまず、二本足で立ち上がり、両手で胸を太鼓のようにたたくしぐさが思い浮かぶ。19世紀にアフリカを探検した欧米人は、「ドラミング」と呼ばれる行動に震え上がった。威嚇と攻撃のサインと思い込んだからだ。

 ▼美女をさらって、ニューヨークで暴れ回る。1933年に公開された「キング・コング」にも、ゴリラの凶暴なイメージが投影されていた。もっともゴリラ研究の第一人者である山極寿一(やまぎわじゅいち)京大総長によると、まったくの誤解だった。

 ▼研究が進み、ドラミングはむしろ戦いを避け、引き分けるための表現だとわかってきた。本来は穏やかな性格らしい。名古屋市の東山動植物園の雄ゴリラ「シャバーニ」は、「イケメンすぎる」と若い女性に大人気である。

 ▼そんな愛すべきゴリラが、絶滅の危機に瀕(ひん)している。国際自然保護連合(IUCN)は、アフリカ東部に生息するヒガシゴリラを最も緊急度の高い「近絶滅種」に引き上げた。もうひとつのニシゴリラは、すでに含まれている。

 ▼彼らの生存を脅かしているのは、もちろん人間である。森林伐採によって成育地が狭められ、食料にするための密猟も後を絶たない。携帯電話などに使われるレアメタル(希少金属)の採掘地のあるコンゴでは、ゴリラが開発で追われる問題もあった。日本も無関係とはいえない。