火星の衛星の謎

フォボスとダイモスは巨大天体の衝突で誕生か 「シミュレーションで30%の高確率でできた」

 火星の周りを回る衛星の起源はこれまで謎に包まれていたが、巨大な天体が火星に衝突して誕生した可能性が高いことが東京工業大などの研究で分かった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2020年代に火星衛星の砂を持ち帰る無人探査を目指しており、火星由来の物質を世界で初めて回収できる可能性が浮上してきた。(伊藤壽一郎)

起源に2つの仮説

 太陽系の内側から4番目の惑星である火星には2つの衛星がある。いずれも軌道は赤道上空で、高度6千キロをフォボス、同2万キロをダイモスが周回している。フォボスの直径はダイモスの2倍の20キロだが、地球の衛星である月の3400キロと比べると、はるかに小さい。

 火星衛星の起源には2つの説がある。一つは「捕獲説」で、木星との間にあった小惑星が火星の引力に捕らえられたというもの。もう一つは月が誕生した仕組みと同じ「衝突説」。巨大な天体が飛来し、ぶつかって生まれたとするものだ。どちらが正しいかは決着していない。ただ、2つの衛星はいずれも赤道上空の軌道を周回しており、捕獲説で複数の小惑星が引き寄せられた場合、同じような軌道になる確率は非常に低いと指摘されていた。

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