母子は、優太氏の英語による説明に耳を傾けながら、見よう見まねで筆を動かしていた。墨で和紙に絵を描く楽しさを知った母親は「大満足。内容も分かりやすく、先生の説明でいろいろと知ることができた」と喜んだ。と同時に「このほかに英語で体験できるものがないので、どこにも行っていない」と不満をもらした。
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こうした声に応えているのがネット旅行会社だ。墨絵体験は体験型ツアーの予約販売サイトを運営するベルトラ(東京都中央区)が今年4月から取り扱いを始めた。
1年前から「墨絵ワークショップ」として開催していた優太氏にツアーへの参加を呼びかけたのは、国内事業本部商品企画部のテルスオロ・キアラさん。英語で対応できる体験型プランを探していたとき、日本人顧客から紹介されたという。「墨絵で日本文化を体験できる。しかも先生は英語も上手で丁寧に教えてくれると聞いた」のが誘った理由だ。
キアラさんはこのほかにも、相撲の朝稽古、懐石料理、芸者体験、自転車での都心めぐりなど英語で体験できるプランを外国人目線で発掘してきた。