ドゥテルテ比大統領が「無法状態宣言」爆弾テロ対応で超強権発動か 

 フィリピン南部ミンダナオ島の最大都市ダバオでのイスラム過激派アブサヤフによる爆弾テロを受け、ドゥテルテ大統領は3日、軍や警察など治安当局により強い権限を与えることになる「無法状態宣言」をフィリピン全土に出した。広範な捜査や捜索、検問や夜間外出禁止令も視野に入るため、強権行使で人権弾圧への懸念も高まる。

 ドゥテルテ氏は「戒厳令ではない」と強調。だが「無法状態宣言」の期限を区切っておらず、長期独裁政権を築いたマルコス元大統領の政治手法を想起させる。ドゥテルテ氏は大統領就任後も、警官らへの演説で「容疑者が抵抗したら迷わず射殺しろ」とけしかけ、超法規的手法を容認してきた。

 大統領府によると、大統領は国が「無法状態」にあると宣言。軍を警察と共に治安維持のために出動させることが可能になると憲法で保障されているという。(共同)

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