花形出番です

成駒屋を引き継ぐ喜び 歌舞伎俳優・中村宗生さん(18)(1)

(寺河内美奈撮影)
(寺河内美奈撮影)

 10月、父(中村橋之助)の八代目中村芝翫(しかん)襲名と合わせ、三代目として中村福之助を襲名します。

 これまで兄弟3人(国生(くにお)、宗生、宜生(よしお))、本名で活動してきましたから、そろってお名前をいただけると聞いたときは「やったー」と喜び合いました。何より「三代目」になれることが成駒屋(屋号)の伝統を引き継ぐ感じがして、うれしいですね。

 近年では珍しい親子4人同時襲名ですが、僕と弟は焦りも感じました。兄は大学入学後、ずっと舞台に出演していますが、僕らは出ていません。襲名前、できるだけ舞台経験を積みたいと、僕も大学生になった今春以降、父と一緒に舞台に出るようになりました。

 5月の明治座(東京都中央区)の「御宿(おんやど)かわせみ」では、演出のG2(ジーツー)さんがご指導くださり、ありがたかったです。演技を直したくても、どう直せばいいか分からずに悩み、改めて舞台経験の大切さを痛感しました。

 6月も国立劇場(千代田区)の「魚屋宗五郎」で宗五郎の奉公人、三吉を勤めました。台詞(せりふ)より動きの多いお役で、共演した父にも(中村)梅枝(ばいし)のお兄さまにもご注意をいただきましたが、楽しかったです。

 間近で父の演技が見られる経験は貴重です。父が演じる(酒乱の)宗五郎は、本当に酒がにおってきそうでしたし、昨年4月の「勧進帳」の弁慶もすさまじい迫力に鳥肌が立った。同じ舞台に立ち、役者としての父の大きさが初めて分かったのかもしれません。(談)