関西の議論

「南海トラフ巨大地震は2038年ごろ」 熊本地震〝予知〟の元京大総長が警告

 また「活断層に沿い、地震が連発する」という現象も博士論文で発表した研究成果だといい、それは4月の熊本地震でも証明された形だ。

 今後の研究の方向性について「将来の地震予想が大事」と主張する尾池さん。今後発生しうる地震は、活断層の活動状況などを観測すれば、ある程度予測がつくとみている。

「地震火山庁」創設を提案

 尾池さんによると、阪神大震災以降、西日本は「地震の活動期に入っている」という。

 関西では特に、和歌山の中央構造線付近や奈良盆地、大阪の上町台地に警戒が必要で、京都も「200年に1度は地震が起きているが、(行政の対応などは)のんびりしている」。

 政府に長年提案しているのが、新たな「地震火山庁」の創設だ。

 天気予報のように、テレビなどで定期的に地震予報を世間へ流すことで、地震に対する心構えを常にもってもらう効果に期待する。活断層上に官庁や公共施設の建設を禁じる法整備なども提案する。

 そして住民には、こう呼びかける。生命を守るために「せめて寝室だけでも耐震化を」。

マンガで伝えたい

 実は、こうした広報の重要性に気づいたのは、京大総長時代にプロデュースした京大名物「総長カレー」だった。

 レトルトカレーを地元テレビ局へ発売を許可したところ、「ただで京大を宣伝してくれる効果が大きかった」。総長カレーを食べれば京大に合格できる都市伝説まで生まれたという。

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