安倍晋三首相、地元・山口でプーチン露大統領と会談へ 12月上旬、北方領土交渉加速へ本格調整

 日露両政府は31日、プーチン大統領が今年12月上旬に来日し、安倍晋三首相の地元・山口県での首脳会談開催に向け本格的な調整に入った。首相が地元で外国の首脳と会談するのは初めてとなる。プーチン氏を地元に招き、くつろいだ雰囲気の中で話し合うことで信頼関係をさらに緊密にし、領土交渉の進展につなげたい考えだ。

 日本政府は31日、安倍首相が9月2、3両日にロシア極東のウラジオストクで開催される「東方経済フォーラム」に出席し、プーチン氏と2日に会談すると正式に発表した。詳細な来日日程や会談の議題などについて詰めの協議を行う。来日は1泊2日となる見通しで、会談場所は県内の旅館を軸に検討している。

 首相は31日、鈴木宗男元衆院議員と官邸で会談し、ロシア側がプーチン氏の12月訪日を公表したことについて「向こうから言ってくれたのはありがたいメッセージだ。極めて好意的な話だ」と歓迎した。さらに、12月に1956(昭和31)年の日ソ共同宣言発効から60周年を迎えることから、「大きな節目の年だ。しっかり取り組んでいきたい」と強調した。

 菅義偉官房長官は31日の記者会見で「新しいアプローチで交渉を精力的に進めることで一致している。率直な議論が行われることを期待する」と語った。

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