海底資源 「燃える氷」の真相(上)

「中国が南シナ海に原発を造るらしい」出張先の北京でこんな情報を耳にしたのは昨年末だった…

 もう一つの懸念は、「第13次5カ年計画」でメタハイの調査を、ガス田開発を進める東シナ海でも行うとしていることだ。

 メタハイは海底の低温高圧の環境で固体の状態を保つことができる。条件は水深500メートルよりも深い海底下とされる。東シナ海の水深は浅く、200メートル未満という。このため、ここで中国がいう東シナ海とは、同海で最も深い海域で沖縄諸島と並行に走る沖縄トラフ(水深1千~2千メートル程度)を指している可能性がある。

 中国は東シナ海の日中中間線を否定し、それよりはるかに日本側の沖縄トラフまでを中国の管轄海域と主張している。

 メタハイ研究者の東京海洋大准教授、青山千春氏(61)は「沖縄トラフは金銀を含む海底熱水鉱床が存在していることで知られる。そういった場所はメタハイもあるとみられる」と話す。

 南シナ海での主張を仲裁裁判所によって、全否定された中国は、東シナ海に活動をシフトさせるとの見方もある。実際、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺に8月上旬、中国の公船と漁船が押し寄せた。中国による沖縄トラフでのメタハイ調査の本格化も現実味を帯びる。