海底資源 「燃える氷」の真相(上)

「中国が南シナ海に原発を造るらしい」出張先の北京でこんな情報を耳にしたのは昨年末だった…

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 「メタンハイドレート(メタハイ)の分布は九段線に沿っている。九段線の内側は中国にとって、自国のもの。ぎりぎりまで自分のものといわんばかりですね」

 東京財団研究員・政策プロデューサーの小原凡司氏は、2001年に中国国土資源部の研究所が作成した南シナ海を中心としたメタハイの分布が推定される海域の図について、こう感想をもらした。

 九段線は中国が南シナ海のほぼ全域を領海と主張するために地図上に引いているU字形の破線だ。「牛の舌」にも例えられるU字に沿うようにメタハイの分布海域が示されている。

 これに対し、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は九段線について、内側の海域の資源に対する中国の歴史的権利の主張を「海の憲法」と呼ばれる国連海洋法条約の下では認めなかった。スプラトリー(中国名・南沙)諸島で人工島造成を進める7つの岩礁も、同条約の排他的経済水域(EEZ)などが認められる「島」ではないと判断し、中国の周辺海域の資源開発の権利を否定している。

 しかし、国土資源部の「第13次5カ年計画」(16~20年)では、メタハイの調査は南シナ海の北部海域で行うとしており、九段線をベースに中国のメタハイ開発が進む可能性は高い。

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