栄養面や食べやすさなどを工夫した療養食「メディカルフード」の販売コーナーが30日、松江市鹿島町のコンビニエンスストア「ファミリーマートAコープこうぶ店」に登場した。近隣にある鹿島病院の協力を得て、山陰両県のファミリーマート店舗として初めての取り組み。運営会社では今後、取り扱い店舗の拡大を図る考えだ。
メディカルフードは、塩分量やカロリーなどのコントロール、特定の栄養分摂取が必要だったり、軟らかい物しか食べられなかったりする人のために製造された食品。コンビニチェーンを展開するファミリーマート(本社・東京)では、高齢化社会に対応する取り組みとして、お年寄りや在宅療養者らのためにメディカルフードを取り扱う店舗を全国で増やしている。
同店では、フロアの一角に専用のラックを置き、減塩のしょう油やタンパク質の含有を抑えたインスタント食品、軟らかく仕立てた親子丼風のおじやなどを陳列。冷凍コーナーにも、筑前煮や肉じゃがなど冷凍の摂食回復支援食をそろえ、合わせて約50種類のメディカルフードを並べた。
鹿島病院側は、商品選考などについて助言するとともに、外来患者らに対しても購入に際して医師や管理栄養士らが相談に応じ、情報の提供にも努める。
同店では、店頭での販売に加えて注文書による予約販売も対応。恩田明弘店長は「地元の需要をくみ取り、しっかり対応するのがこの店の使命。地域の役に立ちたい」と話している。