《机をたたき、着座中の椅子を蹴る》
《別室を利用せず、いつも人前で叱責する》
身に覚えがないものが多い。戸惑いながら、ひとつひとつ否定する回答を自筆で記入し、読み上げた。
だが、担当者は回答を聞き終えると、その場で淡々と宣告した。
「(被害)証言があります。パワーハラスメントと認定します」
「俺は部長だ!」
会社に通報したのが部下なのか上司なのか、被害を訴えているのは何人だったのかなど、詳細は明らかにされていない。ただ、質問書に記載された大量のパワハラ証言は、実に生々しかった。
たとえば暴言。
「俺を誰だと思ってるんだ、俺は部長だ!」
「死ね、殺すぞ」
「小学生からやり直せ」
「降格させるぞ」
「代わりはなんぼでもおる」
さらには暴力的行為。
《大声で怒鳴り威嚇する》
《叱責しながらロッカーをけ飛ばす》
男性はこれらの発言についてすべて「言ったことはない」と否定し、「叱責ではなくアドバイスをした」と主張する。
ロッカーについては「自分が上司に叱責されたときに悔しくて、ロッカーをたたいたことはある」と、他人に向けた行為ではないと反論した。
七味は「セクハラを止めるため」
一方で、行為自体は認めているものもある。たとえば、頭髪が薄い同僚男性に対する言動がそうだ。
《「ハゲじじい」「ヅラを取れ」と言う》
《(漫画サザエさんに登場する)波平さんの漫画を描いて椅子に貼る》