新潟知事の出馬撤回 東電柏崎刈羽再稼働に追い風か 東電再建に節目

知事選への4選出馬を取りやめ、報道陣の取材に応じる泉田裕彦知事=30日午後、新潟県庁
知事選への4選出馬を取りやめ、報道陣の取材に応じる泉田裕彦知事=30日午後、新潟県庁

 新潟県の泉田裕彦知事が10月の知事選出馬を取り止めたことで、東京電力ホールディングス(HD)の柏崎刈羽原発の再稼働に向けたハードルが下がりそうだ。原子力規制委員会の審査が順調に進んだ場合、6、7号機は平成28年度内に合格する可能性があり、東電の経営再建は大きな節目を迎える。同原発を含む沸騰水型にまで再稼働が広がれば、政府のエネルギー政策にも追い風になる。(田辺裕晶、佐藤克史)

 「新潟県と建設的な話ができるようになるかもしれない。(再稼働に向けて)先が見えるようになることは確かだ」。泉田知事の出馬撤回表明を受け、原子炉の運転が4年以上停止している柏崎刈羽原発の幹部は安堵感を隠せない。

 泉田知事は東日本大震災後、「福島第1原発事故の検証と総括」を求めて柏崎刈羽原発の再稼働議論を封印。東電HDの広瀬直己社長が繰り返し新潟県に足を運んでも歩み寄らず、同意手続きを進めなかった。今後、規制委の審査に合格し、新知事を含む地元自治体の了解を得られれば、ようやく再稼働が実現する。

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