空き家リスクを通報で改善 甲府市、9月議会に条例案提出

 甲府市は、空き家の危機管理と活用に関する条例案を9月定例議会に提出、平成29年1月1日の施行を目指す。建物の老朽化などで周辺の生活環境に危険を及ぼす可能性のある空き家のリスクを、市民からの通報などを基に改善する。国の空き家対策特別措置法では対応に時間がかかるため、条例の制定で通報と同時に「即日対応」できるようにする。

 市によると、市内の空き家の数は、25〜26年度の調査で3181戸。中には瓦や老朽看板の落下、建物の傾斜などのリスクを抱え、落下危険物をネットで防御したり、倒壊危険物をロープで固定するなどの緊急対応が必要なものがあるという。

 ただ、空き家の所有者に対策を義務づける国の特措法では、所有者が対策を講じない場合、指導、勧告、命令を経た行政代執行による強制撤去まで1年以上の時間がかかることから、市は条例を制定し、対応の迅速化を図ることにした。

 具体的には、特措法に書かれていない「市民」の責務として、市の空き家対策への協力を明記する。市民は市に、放置しておくと倒壊の危険などがある「特定空き家」ほかの空き家情報や、関連の危険情報を通報。市は空き家所有者の同意を得て、ケースによっては通報と同時にリスク回避措置をとる。所有者不明の場合は市の判断で行う。

 また、条例案には空き家のリスク管理や活用に関する「空き家等対策計画」の策定を明記する。

 市は条例制定後、不動産や建築の専門家らで構成する協議会を設置し、今年度中に同計画を策定する。市民の通報・相談窓口の体制や、特定空き家の認定の基準、空き家処分や利用推進策などを盛り込む方向だ。

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