岡山県庁ミュージックサイレン消える 31日午後5時で60年の歴史に幕

 毎日正午と午後5時に県庁(岡山市北区)の屋上からクラシック音楽を響かせ、時を告げてきた「ミュージックサイレン」が、今月末で終了する。メーカーによるメンテナンス期間が終わり、故障すれば修理できなくなるため。60年近く人々の暮らしに溶け込んできたなじみのメロディーは、31日午後5時を最後に聞けなくなる。

 ミュージックサイレンは昭和32年、県庁舎の完成時に三木行治知事の提案で設置された。当時は午前7時、正午、午後5時、同9時の1日4回流された。

 初代が老朽化したため、平成3年に現在のミュージックサイレンに更新したが、時報の必要性が薄れたことなどを理由に9年3月に使用を中止した。

 しかし、事前に広く予告しなかったため、周辺住民から県に問い合わせがあり、県が住民にアンケートを実施。その結果、約7割が復活を希望したことから、同年7月に再開した。

 現在、正午にシューベルトの「菩提樹(ぼだいじゅ)」、午後5時にドボルザークの「家路」を奏でている。年明けの午前0時には「蛍の光」、元日の同7時には「君が代」が流された。

 伊原木隆太知事は「音が出なくなるまでやるのもひとつだが、『これが最後だ』とわからないまま、最後を迎えるのは寂しいと思った」と説明し、「私の育ってきたいろんな場面を思い出す私の人生にとっても大事なサイレンだった」と名残惜しそうに話した。

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