浪速風

今そこにあるゴジラ

映画「シン・ゴジラ」が大ヒットしているというので、遅ればせながら見てきた。設定は昭和29(1954)年に公開された初代「ゴジラ」とほぼ同じである。未知の巨大生物の襲来に右往左往する政府の対応がリアルで、政治ドラマとしても評価が高い。が、なんと言ってもゴジラの暴れっぷりがすごい。

▶CG(コンピューターグラフィックス)らしいが、東京の街を破壊しつくすゴジラと、自衛隊の戦車やヘリが攻撃するシーンは実写のようだ。これまでの着ぐるみや模型とは迫力が違う。ただ、半世紀以上も前に登場した初代の衝撃は、「シン・ゴジラ」を上回るものだった。

▶ビキニ環礁の水爆実験で放射能を浴びた第五福竜丸が帰港して日本中が騒然となった年である。それからわずか半年余りで制作された「ゴジラ」は、唯一の被爆国に襲いかかった新たな脅威への抗議ともされた。「シン・ゴジラ」は何を暗示しているのか。想定外の危機はいつもそこにある。