【手帖】小説の可能性を堪能できる異色アンソロジー - 産経ニュース

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小説の可能性を堪能できる異色アンソロジー

【手帖】小説の可能性を堪能できる異色アンソロジー
【手帖】小説の可能性を堪能できる異色アンソロジー
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 作家の福永信さんが、気鋭の書き手が寄せた個性的な11編からなる小説アンソロジー『小説の家』(新潮社・3800円+税)を編んだ。

 収録作の一つ、円城塔さんの「手帖から発見された手記」では、読み進めていくほどに文字が模様に浸食されていく。詩人の最果タヒさんの「きみはPOP」は、ビルの看板など普通の街の風景写真に言葉を描きだす。一見、真っ白なページが続いているだけのように思えるのは、阿部和重さんの「THIEVES IN THE TEMPLE」。実は特殊ニス印刷を使って文字を浮かび上がらせる仕組みになっている。

 このアンソロジーの中では、小説と詩、アート、漫画、演劇といった既存のジャンル分けは、あまり意味をなさない。あらゆる芸術表現の境界を壊し、小説の概念を拡張するような挑発的で楽しい作品が並んでいる。