神戸市、27年の観光客数過去最高 市内宿泊は伸び悩み

観光客らでにぎわう中華街「南京町」=神戸市中央区
観光客らでにぎわう中華街「南京町」=神戸市中央区

 神戸市は25日、平成27年に市内の観光地を訪れた観光客の総数は3598万人(前年比1・6%増)で、観光庁の統一基準に基づいて調査を始めた22年以降で過去最高となったと発表した。インバウンド(訪日外国人)の増加や、国の交付金を活用した割引旅行商品「KOBEトラベルギフト」の利用が好調だったことが要因とみられるという。

 観光客の統計調査は市内の主要観光施設29カ所で実施した。地区別では、神戸港が428万人(同4・4%増)、六甲・摩耶が201万人(同4・1%増)など。「神戸ルミナリエ」や「みなとこうべ海上花火大会」といった参加者5千人以上のイベントに訪れた観光客数は、1290万人(同1・5%減)だった。

 同市観光コンベンション課によると、同市の観光客数は東日本大震災の影響で減少したが、その後は増加傾向にある。今回観光客数が増加した背景には、外国人観光客の存在があるといい、27年は台湾や韓国などから約108万人が訪れ、インバウンド客数が初めて100万人を超えた。

 観光客の消費金額も右肩上がりで、27年は景気回復などを受け、3426億円と過去最高を更新した。

 ただ、課題は宿泊客をいかに取り込むかだという。観光客総数のうち、日帰り客は1779万人(同3・1%増)、宿泊客は529万人(同4・1%増)でいずれも増加。一方、同日に市が発表した27年度の観光客の動向調査結果によると、調査した7180人のうち市内に宿泊した観光客は全体の19%にとどまった。

 宿泊客の多くは有馬温泉街や北野異人館街を訪れた観光客で、南京町のある市街地など他のエリアを訪れた人はほとんどが日帰りだったという。

 宿泊施設が飽和状態とのデータもある。日本銀行神戸支店の調査では、27年の市内の主要ホテルの客室稼働率は83・7%。市によると、夏休みなどのピーク時に市内でホテルを確保するのは厳しい状況という。

 市内ではホテルの新規建設が3カ所で進んでおり、30年までには市内の客室数は計606室増える見込み。同課の担当者は「2月や6月の閑散期に泊まってもらう仕組みを考えたい」と話している。

 このほか、観光客の動向調査ではリピーター客の多さも浮き彫りとなった。来訪回数が「5回以上」が71%を占め、「初めて」は8%。このうち、79%が「また来たい」と答えており、満足度の高さがうかがえる結果となった。