日本と韓国の財務相らが経済・金融問題で意見を交わす日韓財務対話が27日、ソウルで開かれる。昨年2月に打ち切られた、緊急時にドルなどを融通し合う通貨交換協定を復活させるかどうかが焦点。通貨協定は日本が韓国を助ける意味合いが強く、日本側は韓国側の要請があれば対応する構えだ。
通貨協定は外貨不足に陥った場合、自国通貨と引き換えに締結相手国が持つ米ドルを融通してもらう仕組み。経済力のある国が周辺国を支援する側面が強く、日韓の場合は日本が韓国を支援する形となる。
足元では、中国景気の減速が韓国経済に大きな影響を与えかねず、国境を越えた景気悪化の連鎖を防ぐために通貨協定が必要だとの見方が一部で出ている。日本側は「向こうから話が出れば検討する」(麻生太郎財務相)との姿勢だ。
日韓両政府は平成13年に通貨協定を締結したが、24年に当時の李明博大統領が竹島(島根県隠岐の島町)に上陸するなど日韓関係が冷え込んだ影響を受け、規模が縮小した。協定期限を迎えた昨年2月、韓国側から延長要請がなかったため終了した経緯がある。
財務対話も24年11月の開催以降、中断されていたが、昨年5月に2年半ぶりに東京で再開。今回は英国の欧州連合(EU)離脱問題に伴う金融市場の動向や日本の経済対策などについて幅広く意見を交換するほか、「通貨協定復活を議論する可能性も少なくはない」(政府関係者)。