浪速風

地蔵盆が終わると夏も終わり

夕暮れ時に近所を散歩していたら、地蔵盆をやっていた。道端のお地蔵さんがちょうちんなどで飾られ、子供たちが集まっている。浴衣姿の女の子もいる。お菓子などをもらって、うれしそうだ。地蔵信仰は全国的だが、地蔵盆はなぜか近畿以外ではあまり盛んではない。

▶「石が灼(や)けるのは八月である。(略)小さな祠(ほこら)の軒の下で、お地蔵さんも熱く灼けている。童子、童女のおもかげをとどめている素朴な石像の供養が、京都にひろくゆきわたった地蔵盆の行事として、この八月におこなわれるというのは、大いに心得たことのように私には思える」(杉本秀太郎「洛中生息」から)

▶少子化で子供は少なくなったが、だからこそ子供が主役の行事を大切に伝えていきたい。田辺聖子さんがこう書いている。「やがて夏は夢のように過ぎ、この祭りを最後に秋が来て、大阪の空にも赤トンボがとぶ」。地蔵盆が終わると、夏休みも終わる。楽しかった思い出を残して。