佐藤優の世界裏舞台

ロシア大統領府長官の交代人事に気を抜くな ワイノ氏は「知日派」でも親日にあらず…

佐藤優氏
佐藤優氏

8月12日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がセルゲイ・イワノフ大統領府長官を解任し、後任にアントン・ワイノ同副長官を任命した。イワノフ氏は、安全保障会議のメンバーには残るので、失脚したわけではないが、影響力は急速に低下する。年齢は63歳で、ロシアの官僚の世界ではかなり高齢だ。イワノフ氏も公職を離れ、国営企業か巨大民間企業の顧問になる準備をしているのだろう。

日本との関係で注目されるのがワイノ新長官だ。ワイノという姓はロシアでは珍しい。ワイノ氏の祖父カレル・ワイノ氏は、エストニア共産党第一書記を務めたエストニア人だ。父親のエドゥワルド・ワイノ氏は、ソ連外国貿易省に勤務する「赤い商社マン」で、息子のワイノ氏が十代前半の頃に東京のソ連通商代表部に勤務した。ワイノ氏は、ソ連大使館の敷地内に設置されたソ連人学校に通った。ここではソ連本国と同じカリキュラムで授業が進められたが、課外科目として日本語もあった。ワイノ氏は積極的に日本語に取り組み、将来は日本専門家になるという決意を固めた。

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