遺骨収集、独の尊厳「誰であれ弔う」毎年3万人埋葬 第二次大戦の戦没者

 遺骨の捜索は戦時中の資料などを頼りに行われる。一緒に発見された、氏名などを記した「認識票」や結婚指輪で身元を確認。身元不明の場合は、墓標に「無名戦士の墓」と記す。

「SSだとしても」

 敗戦国のドイツでは、戦没者に対する国民の見方はさまざま。ブライトハウプトさんによると、「戦争に手を貸した悪人」という認識が強く、ヒトラーが率いたナチスや親衛隊(SS)に対する批判は根強い。遺骨の中にこうした人々が含まれる可能性もあるが、ブライトハウプトさんは「たとえSSだとしても弔う。すべての人間に、墓に入る権利はあるから」と断言する。

 戦後71年を経て和解も大きなテーマとなり、かつての敵国と共同で身元不明者捜索や若者世代の交流を行っている。ブライトハウプトさんは「われわれの活動に、イデオロギーは関係ない。どこの国であろうと、戦没者は1人の人間であり、尊厳のある存在だ」と語る。その上で、「活動を通じて戦争と平和、生と死について考えをめぐらせることができると確信している。これからも文化として活動を守っていきたい」と語った。

■ドイツ戦争墓地維持国民同盟(VDK) 政府の委託機関として、旧ドイツ軍戦没者らの遺骨収集や墓地の整備・管理などを実施する民間団体。年間予算4200万ユーロ(約47億円)の3割は政府支給、7割は会員約15万人の会費や寄付で賄われており、2014年現在、約3万2900人の墓を建てた。今年4月現在、45カ国837カ所で墓地を整備し、このうち東欧は約500カ所を占める。