大阪府と大阪市が二重行政解消などに取り組む「副首都推進本部会議」が22日、同市内で開かれ、来年4月の組織統合が決まっている府立公衆衛生研究所(公衛研、東成区)と市立環境科学研究所(環科研、天王寺区)について、施設を1カ所に集約する方針を決めた。
新施設は、東京都の地方衛生研究所「健康安全研究センター」並みの1万6千~2万平方メートルの規模を想定。感染症の拡大防止や食品の安全性確保のための検査・研究を行う。
施設を整備する場所については、今後、86億~113億円をかけて公衛研に隣接する「旧府立健康科学センタービル」を改修、増築する案のほか、107億~134億円の費用で大阪湾の人工島・咲洲(さきしま)などの市有地や府有地に新設する案を軸に検討を進める。
両研究所の統合は、重複する業務の効率化などが期待されるとして、平成25年に府議会で、今年3月には市議会で可決した。当初は統合後も施設を併存させる予定だったが、松井一郎知事が「さらなる機能強化ができる」として、集約を検討するよう指示していた。
この日の会議終了後、松井知事は「しっかりと西日本全体を支えられる研究所が必要だ」と指摘。吉村洋文市長は「一つの新しい施設を作ったほうが、長い目で見ると府民、市民にとって大きなメリットになる」と強調した。