脱原発テント、ようやく撤去 違法設置1800日余…確定判決後も市民団体側が立ち退き応じず

脱原発テント、ようやく撤去 違法設置1800日余…確定判決後も市民団体側が立ち退き応じず
脱原発テント、ようやく撤去 違法設置1800日余…確定判決後も市民団体側が立ち退き応じず
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 東京・霞が関の経済産業省敷地内に脱原発を訴えている市民団体が違法にテントを設置してきた問題で、国が確定判決に基づく強制執行を申し立て、21日に東京地裁の執行官がテントを撤去した。国が立ち退きを求めた訴訟で市民団体側の敗訴が今年7月に確定して以降も、自主的に撤去しなかったための措置。テント設置から1800日余りを経て、国有地が正常な状態に戻る。

 強制執行は21日午前3時半過ぎから始まり、東京地裁の執行官が「これから執行します。私物を持って出てください」と呼びかけた。テント内の市民団体関係者を外に出し、複数のテントを次々解体。また、混乱を避けるため、周辺には民間警備会社の警備員が配置された。開始から約1時間半で強制執行に基づく撤去は完了。その後は経産省側が敷地の境界にフェンスを設置した。

 一方、テントで過ごしていた数人と市民団体関係者とみられる人物が合流。周辺で作業を見ながら、拡声器を使って反原発を訴えたり、警備員や警察官に罵声を浴びせたりする場面もみられた。

 市民団体は東日本大震災発生から半年たった平成23年9月11日から、「反原発運動のため」などと称して、経産省敷地内に無許可でテントを設置。国が立ち退きなどを求め提訴し、1審東京地裁は設置の違法性を認めて「意見表明の手段はほかにもある」として、市民団体側に立ち退きと過去の土地使用料約1100万円の支払いに加え、実際に立ち退くまで1日当たり約2万1千円の制裁金支払い(間接強制)も命じた。

 2審東京高裁も1審を支持し、最高裁で今年7月、市民団体側の敗訴が確定。制裁金を含めた市民団体側の支払額の合計はこれまで約3800万円に上る。

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