リオ五輪

闇カジノ問題でエース・桃田賢斗を欠いた男子ダブルスの早川賢一&遠藤大由組 「イメージ変える」と誓ったが…

 高3のインターハイで、遠藤がシングルスの試合中に右足を捻挫し、棄権を余儀なくされた。「優勝を目指していた大会。病院で、枕に顔をうずめて悔し泣きをこらえていた」(帰山さん)。ただ、遠藤はそこで終わらなかった。痛み止めを打って足首にテーピングを巻き、翌日のダブルスの試合に出場。決勝では、当時比叡山高3年だった早川のペアを破り、全国優勝を成し遂げた。

 大学卒業後、共に日本ユニシスに進んだ2人がダブルスを組み始めたのは、平成22年。フットワークとレシーブ力に優れた早川と、ジャンプ力と強打に秀でる遠藤の相性は抜群で、全英オープンで3度準優勝するなど、着実に積み上げてきた。

 ところが、リオ五輪代表決定を目前にした今年4月、男子バドミントン界に衝撃が走る。トップ選手の田児賢一、桃田賢斗らの違法賭博行為が発覚し、関係者が処分を受ける前代未聞の事態となった。

 その直後に母校を訪れた遠藤は、帰山さんにこう伝えたという。「今の悪いイメージを変えたい。自分たちが五輪でメダルを取って、バドミントンの良さ、楽しさを伝えたい」。早川も、五輪でのイメージ払拭を公言するなど、思いを1つにしていた。

 リオに入り、男子ダブルスの1次リーグで世界ランク5位の中国、昨年の世界選手権覇者のインドネシアを破る快進撃を見せたが、練習中に早川が腰を負傷。一時は棄権も危ぶまれたが、治療を施して15日、準々決勝のイギリス戦に挑んだ。遠藤も必死に援護したが、最後まで2人の攻撃の形をつくりきれなかった。

 「応援してくれているみんなに申し訳ないが、今できることはすべてやった」。試合後、目を真っ赤にして声を絞り出す早川を、遠藤は「自分がしっかりしなければいけない場面でミスをしてしまった」と最後までフォローした。

 スタッフに腰をさすられながら、退場する早川。静かに、悔しさをかみしめる遠藤。力を出し尽くした2人に、観客席から暖かい拍手が送られた。(緒方優子、木下慧人)

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