国の文化審議会特別委員会(7月25日開催)で、平成30年の世界文化遺産登録を目指す国内候補から惜しくももれた「百舌鳥(もず)・古市古墳群」(堺市、藤井寺市、羽曳野市)。文化庁から、古墳の大きさや形で示した階層性(社会的地位)の分かりやすい説明など5項目の課題が示された。4度目の世界文化遺産候補挑戦となる来年に向け、府と3市でつくる登録推進本部会議は課題の検討に入った。(張英壽)
文化庁から示されたのは、今年3月に同庁に提出した推薦書原案に対する課題で、修正を求められたことになる。
課題では、世界遺産登録に必要な「顕著な普遍的価値」をめぐりまず2つの注文があった。「階層性が示す『顕著な普遍的価値』の合理性の検討」と「構成資産がどう『顕著な普遍的価値』に貢献しているか」だ。
推薦書原案では、古墳群が前方後円墳や円墳、方墳という多様な形、また全長400メートル以上から20メートル程度までさまざまな大きさがあることから、形や大きさで5つに分けた社会的な階層と、古墳の巨大さを「顕著な普遍的価値」とした。