花形出番です

憧れの演目 父の「土蜘」 歌舞伎俳優・中村国生さん(20)(2)

 28日まで、歌舞伎座(東京都中央区)の「八月納涼歌舞伎」に出演しています。父(中村橋之助)は「納涼」が始まった平成2年から出演していますから、小さい頃は夏休みに入ると、歌舞伎座通い。気軽に楽しい歌舞伎が見られる夏恒例の舞台に今、立っていることがうれしいです。

 僕は第2部(開演午後2時45分)「艶紅曙接拙(いろもみじつぎきのふつつか) 紅翫(べにかん)」の大工駒三、第3部では(同午後6時)「土蜘(つちぐも)」の渡辺源次綱を演じています。常磐津舞踊の「紅翫」は朝顔など夏らしい物売りが出て、名作のパロディーも盛り込まれた楽しい踊り。四代目中村芝翫(しかん)が初演した縁もあり、10月に八代目芝翫を襲名する父が初役で踊っています。

 そして、ずっと見たかった父の「土蜘」。父は僕が生まれた年(平成7年)、初めて土蜘の精を勤めましたが、それ以来、21年ぶりです。僕ら兄弟3人も源頼光の家臣として出演させていただいております。

 親子4人同時襲名を控え、今の名前での最後の舞台。大好きな演目で最後、土蜘の精との立ち回りは兄弟が息を合わせるよう気をつけています。

 父を見ていると、古典や踊りが好きになる。この「土蜘」も、いつかやりたい演目の一つ。10年後か20年後か、「その日」に備え、父の舞台を必死に追っています。そして、いつか僕らの世代も「納涼」の一幕を任せていただけるまで-。憧れの演目や配役を妄想し、励みにしています。(談)

 公演の問い合わせは(電)0570・000・489。