つらい練習の先に待っていたのは歓喜の涙だった。20日未明(日本時間)、シンクロナイズドスイミングのチームで銅メダルを獲得した日本。お家芸復活を託されたのは、日本シンクロの黄金期を支え、2年前に復帰した井村雅代ヘッドコーチ(66)だ。「地獄のよう」と評される猛練習で、デュエットに続く表彰台をもたらした。厳しくも愛情のこもった井村氏の指導を受けてきた元選手たちも「日本の新たな夜明け」と、健闘をたたえた。(小林佳恵、市岡豊大)
■感涙のマーメイド 「井村先生についてきてよかった」
「しんどいことばかりだったけど、やってきてよかった」(中牧佳南、24)、「つらい練習を全部やってきてよかった」(丸茂圭衣、24)…。選手らが、メダルの喜びとともに口にしたのは練習の厳しさだった。
吉田胡桃(24)は「つらいことばかりで楽しいことなんてほとんどなかった。いろんなものを犠牲にしてきたが、井村先生についてきてよかった」と、恩師に感謝した。
井村氏は1978年に日本代表コーチに就任。シンクロが五輪正式競技となった84年ロサンゼルスから6大会連続で日本にメダルをもたらした第一人者だ。北京、ロンドン五輪では中国代表を率いたが、2014年に日本代表コーチに復帰した。