出光お家騒動

出光佐三の孫2人の冷遇で生じた亀裂が次第に広がり…創業家側のまさかの秘策で昭和シェル石油との合併の行方は?

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 「異なった経歴の中で成立し働いている人々を、出光大家族の中に加え、同様に面倒を見ていくことに非常に危惧の念を抱く」

 4億円弱とみられる大枚をはたいて昭シェル株を取得した昭介氏はこんなコメントを出して、改めて合併に反対する考えを示した。

 平成19年に創業家が経営陣から外れて10年近くが経過した。海賊佐三氏のDNAを受け継ぐ昭介氏も89歳と高齢。固い決意で強硬手段をとるのは、創業家の存在感が薄れつつあることへの危機感もある。昨年12月の意見書では創業家出身者1人を取締役にするよう求めた。

 創業家をよく知る元出光関係者は「昭介氏の息子2人(長男正和氏と次男正道氏)が社内で冷遇され、後継者として目されていないことに対する不満が創業家内にあることも無縁ではない」とも指摘する。

 創業家という「海賊船」から大砲を打ち込まれた経営陣。秘策を上回る「奇策」を打ち出せるか。創業家は全体で33.92%の出光株を保有すると主張する。経営側は、解決の糸口をつかむため、その中に含まれる出光美術館と出光文化福祉財団の評議員、理事、監事に対して、経営側の見解を説明する機会を求める書簡を15日付で発送。月岡社長も自ら動いて昭シェルの亀岡剛社長と4日に作戦会議を開いているが、今のところ中断している協議の再開を呼びかけるのが精いっぱいで、有効な手立ては見つけられない。(佐藤克史)

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