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最近のハリウッド映画は中国へのこびへつらいが目に余る。その傾向がいつまでも続くと日本の観客離れが加速するのではないかとさえ感じる。「媚中(中国にこびること)」はこの夏のハリウッド大作にも言えることだ。
ごり押し感が強いのが、公開中のSF大作「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」。エイリアンに地球が襲われた前作「インデペンデンス・デイ」から20年後が舞台。人類は先の戦いでエイリアン側から手に入れた反重力技術などを使った地球防衛システムを構築、新たな襲来に備えていたが、敵エイリアンもより進化して攻めてきた…。
「進化」というと聞こえはいいが、要は「なんでもあり」の世界になってしまい、リアリティーという点では同じく夏休み映画の本命だった「シン・ゴジラ」に軍配が上がる。さらに鑑賞意欲を削いだのが媚中だ。
例えば人類の月面基地を総括するジャン司令官は中国人。演じたチン・ハンはシンガポールの俳優で、「ダークナイト」「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」などのハリウッド映画に出演している。ジャン司令官の姪のレイン・ラオは中国人の戦闘機パイロット。演じたアンジェラベイビーは上海生まれのモデルで、映画でも活躍中だ。彼女の演技は表情の硬さが気になり、ほかの役者から浮いているような印象を受けた。映画ではレインに恋した男性パイロットが「中国語の勉強をしようかな」なんて言うセリフも飛び出し、思わず苦笑してしまった。