主張

伊調4連覇 偉業への情熱を受け継げ

 選手たちの雄姿が、どれほど多くの日本人に勇気や感動を届けてくれたことだろう。日本勢の活躍に沸くリオデジャネイロ五輪で、また一つ快挙が生まれた。

 レスリング女子58キロ級の伊調馨が成し遂げた4大会連続の金メダルである。女子個人種目で世界初の偉業に、惜しみない拍手を送りたい。

 4連覇は過去に4人いるが、対人競技では例がない。特に格闘技は選手自身のケガや年齢との戦いもある。継続と常勝の両立は、ひときわ価値が高い。

 伊調は故障を抱えて臨んだ今大会を「初めて戦うのが怖いと思った」と語った。決勝の残り3秒で見せた逆転劇は、技術を前提とした気力と執念の産物といえた。

 バドミントン女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀組も、体格に勝るデンマーク組に敗色濃厚な場面から逆転し、日本勢初の金をもたらした。前日、伊調の試合を見たという高橋は「自分たちもここから勝てると思っていた」と語った。日の丸を背負う者同士のつながりが生んだ、五輪ならではのドラマだろう。

 伊調は2連覇した2008年北京五輪以降、自衛隊などで男子選手と練習を重ね、体力や技術を培った。現状に立ち止まらず、自己変革を重ねる姿勢は、世界に活躍の場を求める若者や企業にも通底するものがあるはずだ。

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