VHSのビデオデッキ、ついに生産終了…「続けて」とファンの声殺到、大切に撮りためた思い出ビデオはどうする?

 こうした状況を受け、ビデオテープからDVDやブルーレイディスクへのダビングサービスが活況だ。サービスを手がける「カメラのキタムラ」によると、生産終了が知らされた7月中旬から約1カ月の受注件数が、昨年同時期の1・5倍増。子供の運動会や家族旅行などを録画した思い出のビデオテープを持ち込む客が多いという。同様のサービスを行う「富士フイルム」でも、7月4~5週の依頼数が、前年同期に比べ2倍になった。

 入手可能なVHS方式のビデオデッキは、一部の家電量販店などの在庫分だけだ。船井電機製を販売している家電量販店大手「ビックカメラ新宿西口店」(新宿区)の家電製品アドバイザー、石川貴大さんは「ビデオ全盛期を経験している40~60代からの問い合わせが多い」と指摘。7月中旬以前は、月に数台売れる程度だったが、最近は1日10台以上が売れることも。石川さんは「VHS方式のビデオテープは劣化しやすく、映像が乱れることもある。早めに他のメディアに転換しておくことを薦めたい」と話している。(中井なつみ)

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