ポトマック通信

74歳ポール・マッカートニーがかける「魔法」

 ビートルズが結成され半世紀以上がたち、名曲の数々は今や、「クラシック音楽」という観さえある。

 それでも、ワシントンで先日行われたポール・マッカートニーさんのコンサートには、幅広い世代の約1万8千人が詰めかけ、ティーン・エイジャーも目立った。隣の席の女の子は、ビートルズのデビュー曲「ラヴ・ミー・ドゥー」などに狂喜乱舞していた。

 マッカートニーさんといえば74歳。ここ数年、世界中を精力的にツアーで回っている。「ハード・デイズ・ナイト」に始まり、「ジ・エンド」で締めくくられたワシントンでの3時間近くに及んだコンサートでは、39曲を歌い上げた。おなじみの曲に加え、昨年リリースされた、リアーナさんとカニエ・ウエストさんとのコラボ曲「フォー・ファイブ・セカンズ」も披露した。

 創作意欲も旺盛だ。アイデアやメロディーなどが浮かぶと、ボイスレコーダーに録音しているという。

 「年齢なんて、ただの数字。誰でもだんだん大きくなるが、邪魔にならなければ気にならない」

 音楽には「魔法のような力がある」とも。74歳にしてなお、魔法を駆使し、ファンを魅了し続けるマッカートニーさんの衰えを知らないエネルギーに接し、元気をもらった。(青木伸行)

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