傷や返却遅れやめて 岡山県立図書館がマナーアップキャンペーン

 図書館利用者のマナー向上を図ろうと、県立図書館(岡山市北区)は「おかやま図書館マナーアップキャンペーン」(31日まで)を実施している。同館では、利用者が返却期限を守らなかったり、本を傷つけたりする行為が続発。同館は「図書館の本は県民の共有財産。1冊しかない貴重な本もあるので、大事にしてほしい」と話している。

 同館は平成26年度、入館者数(104万8799人)と個人貸し出し冊数(144万900冊)が都道府県立図書館として10年連続全国1位となった。27年度も入館者数106万1175人、個人貸し出し冊数148万1983冊で、11年連続全国1位の可能性がある。

 しかし、同館によると、利用者数の増加に伴って、返却期限を守らない利用者や切り取りや書き込みによって利用できなくなる本が増加。27年度の図書返却の督促状況は、電話2万3074件(前年度2万6106件)▽督促状6311件(同7860件)▽訪問督促88件(同91件)-と高い状況にある。

 また、学校が夏休みに入って、閲覧席の長時間の独占や雑談などマナー違反も増えているという。

 キャンペーンでは「しずかにヨムヨム」や「待っている人がいます。おたがいに、ゆずりあい」などと書かれたポスターやしおりなどでアピール。同館エントランスでは、切り取りや書き込み、水ぬれなどで汚損した図書を展示している。

 展示されている図書を見た岡山市中区の女性会社員(39)は「こんなことをするなんて信じられない。子供たちがどう思うか」と驚いた様子だった。

 このほか、同館は、噛んだガムを机にはり付ける行為、カバンや財布の置引、新聞に印刷されているクーポンを切り抜くなどの迷惑行為を確認している。

 同館は「他の利用者の利用の妨げになるようなことはしないでほしい」と訴えている。

会員限定記事会員サービス詳細