三次出身の映画監督・小路さん初の長編「ケンとカズ」、広島などで公開へ

 男同士の友情や葛藤(かっとう)を描いた映画「ケンとカズ」を手がけた三次市出身の映画監督、小路紘史(しょうじ・ひろし)さん(30)=千葉県市川市=が15日、産経新聞の取材に応じ、「初の長編映画で、念願の地元上映。同世代の人たちが共感できる内容なのでぜひ見てもらいたい」と意気込みを語った。21日から広島市西区の横川シネマで上映され、同日には出演者とともに登壇する。

 小路監督は三次高校卒業後、東京フィルムセンター映画・俳優専門学校(東京)で映画制作について学んだ。フリーランスのカメラマンの仕事をしながら、映画を制作。これまでに10作品以上の短編映画を作り、国内外の映画祭で上映されてきたが、長編映画を手掛けたのは初めて。

 「ケンとカズ」は5年前に短編として制作し、高評価を得た作品をリメークした映画で、覚醒剤の密売で金を稼ぐ2人が主人公。密売ルートを拡大していく中、ヤクザに追い込まれて窮地に立たされる2人の揺れ動く友情を中心に、親の認知症や恋人の妊娠などそれぞれが抱える事情で翻(ほん)弄(ろう)される様子を描いた。カズ役は福山市出身の俳優、毎熊(まいぐま)克哉さんが演じた。

 「覚醒剤密売に関(かか)わる最低最悪の人間たちがなぜか愛(いと)おしくなった」などの高評価を受け、昨年の東京国際映画祭で日本映画スプラッシュ部門の作品賞を獲得。中国やフィリピン、台湾など海外の映画祭で上映を果たしたほか、オランダでも上映予定だ。

 「いつの時代でも楽しめる映画を作りたかった」という小路監督は次回作の構想も温めており、「親子関係についての葛藤をやくざを通じて描けたら」と意気込んでみせた。ただ、資金難から兄2人に資金協力を得ており、「『ケンとカズ』が当たらなかったら、やばいです」。

 横川シネマでの上映は31日までで、9月10~23日は福山市伏見町の福山駅前シネマモードで上映予定。