正論

戦後71年に思う 憲法の平和主義と軍の保持が「並存」するのは世界の常識だ 自衛隊を憲法に明記する発議を 東京基督教大学教授・西岡力 

 しかし、ここで9条を変えない改憲に賛成と言っている国民に、「自衛隊の存在を憲法に明記すること」の賛否を問うたら、どのような結果になるだろうか。憲法の平和主義と自衛隊の存在は矛盾せず共存している。憲法に自衛隊の存在を規定する条文がないということを知らない国民もいるのではないか。ぜひ、自衛隊を憲法に明記すべきかどうか、という設問調査を実施してほしい。

 私がこう書くのは、憲法9条の平和主義規定は、実は日本国憲法だけの特徴ではなく、国連憲章や世界の多くの国の憲法と共通するという事実があまりにも知られていないからだ。9条は1項で「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と規定している。これが憲法の平和主義だ。

 この規定は、1928年の不戦条約第1条の「締約国は、国際紛争解決のため戦争に訴えることを非とし、且(か)つその相互関係において国家の政策の手段としての戦争を放棄することを、その各自の人民の名において厳粛に宣言する」を源流とし、国連憲章2条3項の「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない」と通底する。

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