リオ五輪

バド「タカマツ」ペアのラケットは0・1グラムまでこだわった秘密兵器だった 試作品は100本

 ラケットは松沢さんが松友の要求を受け止めた上で、米シカゴの開発チームに発注、そこで完成した設計図をもとに中国で製造する。

 シャフトの強度や太さなどはオーダーに合わせて試行錯誤しながら作製。軽ければいいのではなく、しなりの具合や空気抵抗も計算していく。時にはラケットを分解して、素材のカーボンの疲労劣化を再現することも。あまりに細かい仕様の要求に「コンマ1グラムの差なんて、人間に分かるわけがない」と製作側から苦情を受けたこともある。

 松友から「なんか違う」とノーヒントの注文が出たときには「どう改善すればいいのかと悩んだ」と松沢さん。「ラケットを振ったら(違和感が)分かります」と松友に言われたこともあったが「全然分からなかった」と苦笑いをみせる。

 改良を重ね、試作品は100本以上にのぼる。現在使っているラケットは5代目だ。重さは77・2グラム。ラケットを軽くすると、ラケットの面がぶれやすくなるため、トップ選手はもっと重いラケットを使用することが多いが、松友の要求に従った結果、一般向けと同じぐらいの、軽いラケットに落ち着いたという。

 松沢さんは「昔から努力する姿を見てきた。気楽に『金メダルを』なんて言えない」と明かす。それでも「自分のパフォーマンスを出せば結果はついてくる」と期待を寄せた。2人で作り上げた最軽量ラケットを武器に、松友は表彰台の一番高い場所を目指す。

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