古森義久のあめりかノート

尖閣事態を米国識者は「日本の国家危機」とみている

 海軍大学の教授で同研究所の研究員、トシ・ヨシハラ氏は「中国のこうした活動拡大で東シナ海全体でのパワーシフトが進むことを最も懸念する」と述べた。もちろん中国の力が強くなるシフトである。

 「中国はまず尖閣海域に恒常的な存在を確立して、日本側の施政権を突き崩そうとしている。尖閣上陸も可能な軍事能力を築きながら、日本側の出方をうかがっている」

 ヨシハラ教授は日本がいまどう対応するかの深刻なジレンマに直面したと指摘し、中国の挑発を横にそらす「水平的エスカレーション」として日本が南シナ海での中国の膨張抑止に加わるという案を提起した。

 元国防総省日本部長で、いまは民間の安保研究機関「グローバル戦略変容」会長のポール・ジアラ氏も近年は中国の軍事を調査の主対象としてきた。

会員限定記事会員サービス詳細