あまり知られていないが、同館は、大阪・奈良・京都の3府県にまたがる「けいはんな学研都市」(関西文化学術研究都市)に平成14年に開館。少し特殊だが、文化活動や人の交流の場となることをめざす点では他の公共図書館と変わらない。
民間への運営委託やそのあり方をめぐって、公共図書館論争がかまびすしいが、そもそも現代の学生にとって図書館とは身近な存在といえるだろうか…と考えた。
何しろ、とりまく社会環境が激変している。その最大要因はインターネットの普及を含むIT革命であり、さらには、運営主体である自治体の財政難、少子高齢化による社会構造の変化などもある。なにより、ネットの普及で「情報の無料化」が進んでいることが、実費のコピーなどをのぞけば基本的に無料サービスという図書館の存在を脅かしているのではないか。
◆コピーのアイデアも
かつては辞典や本を買い、図書館に足を運んで得ていた情報が、今では手軽にパソコンやスマートフォンで手に入る。それが多少、不確実であるにせよ、だ。図書館の存在意義はどこにあるのかという根本的な問いを突きつけられているのである。