【スクリーン雑記帖・予告編つき】ブラジルの治安回復に有効な日本発祥のものとは…音楽が人を再生させる「ストリート・オーケストラ」(2/3ページ) - 産経ニュース

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スクリーン雑記帖・予告編つき

ブラジルの治安回復に有効な日本発祥のものとは…音楽が人を再生させる「ストリート・オーケストラ」

 印象的な場面がある。ラエルチが帰路でギャングに襲われるシーンだ。ラエルチは、おもむろに持っていたバイオリンで見事な演奏を始める。その迫力に圧倒され、感動したギャングは銃を下ろす。その様子を噂で聞いた生徒たちは、暴力以外に人を変える力が音楽にあることを知る。

 この映画は、南米で2番目に大きなファべーラであるサンパウロ市エリオポリス区でクラシック音楽と出合い、未来を切り開いた若者たちのオーケストラ「エリオポリス交響楽団」の実話が基になっている。同楽団は1996年に36人の学生によって結成された。この楽団を支えているのが音楽などを通した人格形成を目指しているNGO団体のバカレリ協会で、ラエルチもここで働いているという設定だ。

 マシャード監督は「ブラジルは多くの問題を抱えた国だ。だが、バカレリ協会で行われている取り組みを目にして、そうした問題を解決することが決して難しくないと考え始めた。例えば、刑務所を建てるよりも音楽学校を設立して運営した方がもっと安く済む。バカレリの生徒たちは音楽と触れ合ったことで人生がいかに変わったか。残念ながらブラジル政府は今ひとつそのことが理解できていないんだ」と不満顔だ。「国が兵器に使うお金、汚職政治家や富裕層が使い込んでいるお金の数%を使うだけで100のバカレリ協会が作れるんだ」