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ベンツが「仮想」現実を使い、脳の感性に直接訴えかける新たな売り方に挑戦する一方、現実世界の「リアル」な車を操る楽しさを訴求する販売手法の強化に乗り出したのがBMWだ。
BMWの日本法人は7月8日、東京都江東区の臨海副都心地区に大型の販売拠点「BMWグループ東京ベイ」をオープンした。敷地面積は約2万7000平方で、駐車場部分の約5000平方メートルは訓練走行に使えるようにし、雨天での運転を想定した訓練などができる本格的な設備となっている。試乗車は、BMWと、グループのMINI、二輪車ブランド「BMWモトラッド」の全現行モデルを用意。平日夜に仕事の後に走れるよう夜間照明も設置した。この施設で気軽に試乗してもらいBMWのデザインや内装、走りのファンになってもらい実際の販売につなげる狙い。カフェや最大400人収容の会議用ホールも併設しており、年間約30万人の来場を見込んでいる。BMWグループ日本法人のペーター・クロンシュナーブル社長は「将来の販売拠点の代表例になる」と話している。