複眼ジャーナル@NYC

ハルク・ホーガンの情事流したゴシップメディアが巨額賠償金払えず倒産…記事拡散させたSNSの責任は?

 米国でゴーカー裁判の行方が注目されている。「言論の自由」を大切にするお国柄。過去は名誉毀損(きそん)の疑いがある事件が起きても報道したメディアが勝訴する場合が大半だったからだ。

 ゴーカーはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用して読者層を広げ、政治など硬派分野でも特ダネを飛ばしてきた。ネットで成功した数少ない新興勢の失墜にメディア業界は衝撃を受けた。

 米コロンビア・ジャーナリズム・スクールはこのほど、ネット空間における言論の自由を主題にした討論会を催した。そじょうに上ったのがゴーカー裁判だ。

 「言論の自由」が暴走して市民が中傷された場合、名誉毀損の賠償額は被害者の年収など経済的価値が根拠になるので算定しやすい。

 だが、「ゴーカー裁判ではプライバシーが問題だったので、主観が根拠になるぶんだけ、被害額が天文学的数字になった」とは米大手紙で顧問弁護士を務めたカール・スチュアート氏。同氏は、「今後はプライバシーに的を絞ってメディアが訴訟攻勢にあう可能性がある」と予想する。

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