複眼ジャーナル@NYC

ハルク・ホーガンの情事流したゴシップメディアが巨額賠償金払えず倒産…記事拡散させたSNSの責任は?

 マンハッタン南端に位置する連邦破産裁判所の周辺には、週初から記者やカメラマンの姿が散見される。

 お目当ては、人気の元プロレスラー、ハルク・ホーガン氏を代理する弁護士だ。「(原告の)ホーガン氏が損害賠償訴訟で勝訴した(被告側の)経営者が保有する物件差し押さえを裁判所に申請する」との観測が出ている。

 事件のあらましはこうだ。2012年、ゴシップ情報で知られるニューヨークの新興メディア、ゴーカー・メディアが、ホーガン氏とその友人の妻が情事にふけっている映像の一部をウエブ掲載した。

 ホーガン氏はゴーカーと同経営者を訴え、今年3月に勝訴する。賠償金額はなんと1億4000万ドル(約143億7500万円)。存亡の危機に陥ったゴーカーは6月、連邦倒産法第11条に基づいて破綻申請した。

 法的手続きに入ると、ホーガン氏は賠償金をゴーカーからすぐには回収できない。だからこそ、経営者の個人資産に目を付けた。

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