衝撃事件の核心

「月13万円」弟に介護託した姉 「認知症」で真意は薮の中…ドロドロ法廷闘争の行方は

1カ月後の26年1月、姉は介護施設に入所。弟は契約書に従い、施設に通って姉を見舞い続けたことから、A弁護士は姉の財産から毎月13万円を支払った。

家裁が支払い停止を指示

「介護施設に入所しているなら、弟の介護は必要ないのではないか」

支払いが始まって3カ月後の同4月、その妥当性に疑問を呈したのが家庭裁判所の調査官だった。

姉は施設に入所する前に、知人のB弁護士と「任意後見契約」を結んでいた。任意後見とは、判断能力が衰える前に、将来の後見人を自分で選ぶこと。B弁護士は同3月、姉の症状進行を受け、任意後見人に就任するための手続きとして、任意後見監督人の選任を家裁に申し立てた。その審査の中で、家裁が月13万円の支払いに難色を示したのだ。

施設介護費や生活費に年間300万円はかかる。さらに弟に月13万円を渡すと、姉が81歳のときに資産が尽きるが、それをストップすれば90歳まで生活を維持できる-。家裁はこんな風にそろばんを弾いた。

日本人女性の平均寿命が87歳を超えている現在、財産管理計画も長期的にならざるを得ず、必ずしも必要とはいえない親族間の報酬授受は止めるべきだというのが家裁のスタンスだった。

現状のままでは任意後見の手続きが進まない。B弁護士からの報告を受けたA弁護士は弟への支払いを一旦停止した。家裁はこれを確認した上で任意後見監督人を選任、B弁護士は任意後見人に就任した。

弟は納得できるはずもない。「それまでの経緯を無視している」として、姉側に月13万円の支払いを求め大阪地裁に提訴するに至った。

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