主張

天皇陛下お気持ち 国の未来に丁寧な議論を

 ただ、小堀桂一郎東京大学名誉教授のように、天皇は在位していただくだけで国家にとって十分の意味を有する存在とし、「摂政の冊立(さくりつ)を以て切り抜けるのが最善」とする意見もある。

 摂政のあり方についても議論すべきだろう。その場合、重病など極めて限られたときに置かれる摂政の運用を緩和することなども考えられる。

 単に法改正すれば済むというわけではなく、国民の象徴である天皇のあり方は、国の基本に関わる問題だ。政府は英知を集め、課題にあたってほしい。

 陛下は慎重に言葉を選ばれた。菅義偉官房長官は「国政に影響を及ぼすようなご発言ではない」とし憲法上の天皇の立場から問題はないとの認識を示した。

 陛下のお気持ちを国民が直接聞く意義は大きいものの、これまで陛下と宮内庁、内閣との意思疎通は十分だったのか、問い直すことも必要である。

 皇室の弥栄(いやさか)について、考えることが重要だ。

 秋篠宮家の長男、悠仁さまは健やかに成長されているが、他に若い世代の皇位継承者はおられず、将来の男系男子による皇位継承が不安定であることに変わりはない。旧宮家の復帰など、皇統を厚くする方策についても考えなくてはならない。

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