天皇陛下「お気持ち」

政府は「大河の流れ」を見てお言葉を考えよ ジャーナリスト・櫻井よしこ

 昭和天皇の独白録や実録によれば、昭和天皇は内々では明確な意見を持ち、それを言葉にしながらも、公には立憲君主として自制的かつ自律的に振る舞われていた印象が強い。こうした立憲君主のお立場は、日本国の国柄として大事にしなくてはいけないものである。

 同時に、天皇陛下のお気持ちは、個人として話されたことであるが、軽んじてはならない。天皇の譲位を国として避けてきた歴史を踏まえながら、どこまでお気持ちをくみ取れるのか。冷静に国民みんなで考えるべきだ。陛下がおっしゃった結果、皇室典範などを変えるという結論になるのは、よほど慎重でなければならないだろう。政治的利用の余地が生まれる可能性があるためだ。

 また、広く使われている「生前退位」という言葉には違和感がある。退位は当然生前に行うものであり、譲位という言葉を使うべきではないだろうか。それはさておき、報道各社のアンケートによれば、多くの人が陛下のお考えに理解を示している。

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